広報・制作課の新田康雄です。
前回、2冊のうちの1冊、
「これだけは知っておきたい「名画の常識」
(中村 麗著)(小学館101ビジュアル新書)
について述べさせて頂きましたが、今回は、同じ美術に関する新書
「北斎」(大久保 純一、岩波新書)
(2012年5月22日発刊)
をご紹介したいと思います。
書店で平積みになっていた同書ですが、ラップされており、
中身が見れず、迷ったあげく、購入しました。
これがきっかけで、現在、浮世絵にはまってしまいました!
本書は、誰でも知っている代表作「富嶽三十六景」をはじめとした、
「画狂人」と称した「葛飾北斎」の足跡を画業を通じて読み解いていく内容のものです。
代表作69点のほとんどをカラーで紹介しており、とても分かりやすい構成となっています。
エピソードの多い北斎ですが、本書ではあくまでも製作活動を通じて、
当時の浮世絵関係の出版や流通事情との関わりを交えながら展開していきます。
出版物の版権ひとつとってみても、現在にも決して劣らない高度な制度が確立していた当時、舶来顔料を使って浮世絵を制作する等、とても勉強になりました。
「江戸時代はこれまでイメージしたきた鎖国の時代ではない」という近年の歴史認識の転換の一端がうかがえます。
北斎の画業にかける一途な姿勢...
その時代、時代に影響されながら、さらに新しい画法を吸収し、生涯、絵に専念したその素晴らしい人生に感動しました。
...この本を読んで、実絵が観たくなるのが人情というもの。
早速、美術館巡りが始まりました。(ちょっと困ったものです)
別の機会に書かせて頂きたいと思います。
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