ファシリティマネジメント課の吉野航平です。
FM(ファシリティマネジメント)ブログ初のシリーズ化!ということで、本好きの私が、文学はもとより、旅・スポーツ・郷土料理等を絡めて、書籍の紹介をさせて頂きます。
あくまで個人的な観点から書かせて頂いているので、何卒ご容赦下さい。
第1回目は、名作中の名作、川端康成「伊豆の踊子」です。
若き頃の川端康成の実体験をもとに描かれているこの作品は、湯ヶ島・天城峠を舞台にして展開します。
旅芸人たちとの邂逅を機にしばらく道を共にしながら変わりゆく主人公の心情を描いています。
以下は冒頭の一節です。
「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追ってきた。」
この一節は東京での生活、孤児である事を難解に思う主人公の心持ちの比喩に感じられ、所々構成の技に文体に、にやにやしていました。(笑)
(雨脚に追われる=東京での生活、孤児である事を妬ましく思う事、そのようなものに追われる)
湯ヶ島・天城峠は根強く人気のある観光地として、いまでも多くの人の旅情を誘います。
今年中に一度は訪れ、踊子歩道を歩いてみたいです。
踊子歩道といえばウォーキングのスポットとしても有名であり、もう歩かれた方も多いと思います。
おそらく実際、歩いてみたら日頃の運動不足も重なり、私は旅情云々言ってられないと思います。
伊豆の踊子は、家族の温もりをも描いている部分もあります。
もうすぐ父の日です。
直接的な行動でなくとも、この作品を再読して、少しだけ家族の一員である自分を顧みてみたいと感じました。