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2013-07-30

FM文学集⑩ 翼(三島由紀夫)

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ファシリティマネジメント課の吉野航平です。

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自薦短編第二集であるこの本は、川端康成の紹介があり、雑誌に掲載されることになった昭和21年作「煙草」(この作品は三島が文士になるきっかけとなった)や悲劇のような喜劇のような、ある種の嘲りをそのタイトル通りに表した「サーカス」、情趣よりも方法論を軸に組み立てた「離宮の松」、「クロスワードパズル」など、個々の作品の色を見ることができる短編集だと思います。
その中でも戦中戦後を生き延びなければならなくなった男の体験を寓話的に語った「翼」が印象に残っています。
作品中の話です。
戦後、必要ではなくなった翼とは戦中の純粋な心持ちの比喩の事であるという解釈が一般的でそのことを把握した時、退廃的でどこか他人事のような社会で生きる青年の悲痛が私自身と無関係ではないと思います。
三島由紀夫は小説家だなと強く思う短編集でした。
機会がありましたら皆様も是非、手に取ってみて下さい。


ファシリティマネジメント課
吉野 航平
2013年7月30日

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